○宇治田原町手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用促進に関する条例

令和2年10月2日

条例第35号

宇治田原町では、だれもがその人らしく、安心して生活できる共生のまちを基本理念とし、障がい者施策を総合的に推進している。

全ての住民が、社会、経済、文化その他のあらゆる分野における活動に参加し、心豊かに生活していくためには、身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、難病その他の心身の機能の障がいの有無によって分け隔てられることなく、豊かなコミュニケーションが図られることが重要である。

こうした中、障害者の権利に関する条約(平成26年条約第1号)において、「言語」とは、音声言語及び手話その他の形態の非音声言語をいう。と定義された。

また、障害者基本法(昭和45年法律第84号。以下「法」という。)において、全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られることが求められている。

しかしながら、障がいのある人にとって、障がいの特性に応じた情報の取得及びコミュニケーションのための手段を選択することができる環境は十分に整えられておらず、地域社会において、日常的に不便又は不安を感じながら生活している人も少なくない現状である。

ここに私たちは、手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段を利用しやすい環境を整備することにより、障がいのある人の社会参加を促進し、全ての住民が障がいの有無に関わらず、相互に人格及び個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進について、基本理念を定め、町の責務等を明らかにするとともに手話の普及及び障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、全ての住民が障がいの有無に関わらず相互に人格と個性を尊重し合いながら共生し、及び安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 手話の普及 手話が言語のひとつであることを普及することをいう。

(2) コミュニケーション手段 独自言語としての手話、要約筆記、点字、筆談、音声、拡大文字、平易な言葉、実物又は絵図、重度障がい者用意思伝達装置その他日常生活又は社会参加を行う場合に必要とされる補助的及び代替的な手段としての情報及びコミュニケーション支援用具等をいう。

(3) 障がい者 身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、難治性疾患その他の心身の機能障がい(以下「障がい」という。)がある者であって、障がい及び社会的障壁(障がいがある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。)により、継続的又は断続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう。

(4) 事業者 事業を行う個人及び法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)をいう。

(5) コミュニケーション支援者 手話通訳者及び手話通訳士、要約筆記者、点訳者、音訳者(朗読者を含む。)、盲ろう者向け通訳・介助員その他障がいのある人の意思疎通の支援等を行う者をいう。

(基本理念)

第3条 手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進は、全ての住民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合うことが重要であるとの認識の下に行わなければならない。

2 手話の普及は、手話が独自の体系を有する言語であって、日常生活又は社会生活を営むために受け継いできた文化的所産であるとの認識の下に行わなければならない。

3 障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の促進は、全ての住民が、障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を利用することの重要性を認めるとともに、その選択の機会の確保及び利用の機会の拡大が図られることを基本として行わなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(住民の役割)

第5条 住民は、基本理念に対する理解を深めるとともに、町が実施する手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、町が実施する手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策に協力するよう努めるとともに、障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段を利用するための合理的な配慮をするよう努めるものとする。

(施策の推進に関する協議)

第7条 町は、第4条に規定する責務を遂行するため、法第11条第3項に規定する市町村障害者計画において次の各号に掲げる施策を定め、計画的に推進するものとする。

(1) 手話を学ぶ機会の提供等に関する施策

(2) 障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段への理解の普及に関する施策

(3) 障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段を使用するにあたっての環境の整備に関する施策

(4) コミュニケーション支援者の確保及び養成に関する施策

(5) 前各号に掲げるもののほか、この条例の目的を達成するために必要な施策

2 町は、前項各号に規定する施策を推進するにあたっては、障がい者、コミュニケーション支援者その他の関係者の意見を聞き、その意見を反映するよう努めなければならない。

(委任)

第8条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

宇治田原町手話の普及及び障がいの特性に応じた多様なコミュニケーション手段の利用促進に関す…

令和2年10月2日 条例第35号

(令和2年10月2日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉/第4節 障害者福祉
沿革情報
令和2年10月2日 条例第35号