宇治田原歴史の道
 鷲峰山登山道〜祈りの参詣道
金胎寺境内
 山岳信仰の霊場・鷲峰山
 南山城地域の最高峰である「鷲峰山」(じゅうぶさん、じゅぶざん、じゅうぶせんなどとよまれる)は、宇治田原町と相楽郡和束町にまたがり、古くから山岳信仰の霊場として周辺地域に大きな影響を与えてきました。
 霊山としての歴史は白鳳4年(675)に役行者(役小角)によって開かれたのがはじまりといわれ、奈良時代に聖武天皇の勅願寺として堂が建立されたと伝えられます。次第に山岳信仰の場として、奈良の「大峰山(吉野)」に対し「北大峰」と呼ばれるほど栄え、中世の絵図には58もの堂舎が描かれています。
 もともと全山が「鷲峰山寺」と呼ばれて広大な寺領を有していましたが、元弘元年(1331)鎌倉幕府に追われた後醍醐天皇が笠置に入る前に入山したため焼かれてしまい、その後も火災や寺領の没収により衰退していきました。
 現在は山頂付近が「金胎寺(こんたいじ)」として国の史跡に指定され、仏像や堂塔などが残されています。中でも絵図にも描かれた建築物で現存するものは「多宝塔」と山頂(標高682m)の「宝篋印塔」(いずれも重要文化財)のみで、点在する墓地や平坦地がかつての伽藍の規模を偲ばせます。
 なお、山頂部及び金胎寺境内は和束町側になります。
 ハイキングコース
 かつては鷲峰山寺への参詣者が宇治田原側と和束側から山頂目指して登り、双方からの登山道が残されています。道中には石仏や距離を示す「丁石」が点在し、その名残を感じさせます。現在も気軽に自然に親しむハイキングコースとして利用されており、いくつかのルートがあります。

・「旧登山道コース」:立川区の大道寺地区から登る道で、古い登山道がベースになっています。荒れていたのが近年林業の作業道として整備されてからは歩きやすくなりました。舗装されていない地道です。
・「地福谷林道コース」:同じく立川大道寺地区からと、南の府道宇治木屋線から「地福谷林道」を利用します。林道は舗装されており、傾斜も急登山道より緩やかですが距離が長くなります。途中の「観音山休憩所」で旧登山道コースと合流します。郷之口から南を経由して林道から山頂を目指すルートは「東海自然歩道」になっています。
・「湯屋谷コース」:湯屋谷地区の「永谷宗円生家」と「茶宗明神社」から鷲峰山林道に至り、金胎寺境内に入ります。あまり整備されていない山道です。

 金胎寺境内に入った東海自然歩道は、そこから山を下って和束町原山へ至ります。自動車を利用する場合は、南地区から和束町へ至る府道宇治木屋線の犬打峠か、国道307号の奥山田茶屋トンネルを信楽側へ出た「裏白峠」から鷲峰山林道を通って金胎寺境内入口までアクセスすることが可能です。
 空鉢の峰について