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令和2年度施政方針

[2020年3月2日]

令和2年度施政方針(全文)

 令和2年3月2日に開会された令和2年第1回(3月)町議会定例会の冒頭において、令和2年度の町政運営に対する町長の基本的な考え方である施政方針を表明しました。

施政方針全文

 本日は、令和2年第1回宇治田原町議会定例会を招集させていただきましたところ、議員各位にご参集を賜りまして、ここに開会できますことを心から厚く御礼申し上げます。

 開会にあたりまして、令和という時代の最初の施政方針として、令和2年度において宇治田原町政の推進に臨みます所信の一端を述べさせていただき、議員各位、並びに住民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 私は平成25年2月に宇治田原町第16代町長に就任させていただき、早や約7年にわたり町政を担当させていただいてまいりました。

 この間、今日まで町政を進めてこられましたのも、議員各位をはじめ住民の皆さま方から賜りました温かいご理解とご協力、そして町職員の努力の積み重ねと、深く感謝申し上げる次第であります。

 私が2期目のご信託をいただくにあたり、住民の皆さまにお約束をさせていただいた「絆で輝く未来を創る 交流のまち」の実現に向け、今このまちで暮らす住民の皆さまはもちろん、20年、30年、50年先の住民の方々に対しても「希望と責任」が持てる、活力と魅力あるまちづくりの推進に心血を注いでまいったところでございます。

 令和2年度は私の任期2期目の最終年であります。自らの職務の総仕上げの年として位置づけ、本町が単独で対応しなければならないまちづくりの課題へはもちろんのこと、より広域で取り組まなければならない事柄については、引き続き西脇京都府政、また近隣市町村との強固な連携と協調のもと、残る任期、粉骨砕身取り組んでまいる決意であります。どうか、議員の皆さま方の一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。

 さて、この間、私が町政推進の「最重要三本柱」として掲げてきた「みちづくり」「拠点づくり」「未来づくり」の取り組みにつきましては、厳しい財政状況の中ではありましたが、皆さま方のご協力のもと、それぞれ成果として形を成すことができました。

 ここで、これら「三本柱」の成果について、私の思いを申し述べさせていただきます。

 まず「拠点づくり」であります。令和2年度は、いよいよ本町の土地利用構想に位置づける「シビック交流拠点」において、役場新庁舎の竣工と供用開庁を迎える記念すべき年であります。ここに至ることができましたのも、この場におられる皆さまをはじめ、多くの皆さま方のご理解とご尽力があってのことであります。この間の関係各位のお取り組みに、この場をお借りし、深く感謝を申し上げる次第でございます。

 次に「みちづくり」です。都市計画道路宇治田原山手線については、京都府において未整備区間のうち一部区間の事業化決定と整備を進めていただいており、また緑苑坂以北の区間も、西日本高速道路株式会社に工事委託し整備を進めております。このように、宇治田原山手線をはじめとする道路基盤整備につきましても「拠点づくり」と一体的に、国、京都府ほか関係各位の皆さまとともに、着実に進めてまいったところであります。

そして「未来づくり」として、他市町村よりも手厚い移住者や子育て家庭への支援を開始、推進してきたほか、空家バンクや移住希望者向けお試し住宅の開設、移住希望者向けパンフレットや移住定住ポータルサイト等による本町の“いいところ”のプロモーションなど、人口減少対策・移住定住対策を積極的に進めてまいりました。

 令和2年度からは、これら「三本柱」の大きな成果を踏まえつつ、それをゴールとすることなく、新たな時代に踏み出していきます。

 そのためには、本議会定例会にも議案としてご提案申し上げております、今年度に改定を進めてきた新時代のまちづくりの基本的な指針となる「第5次まちづくり総合計画」、並びに人口減少対策と地域創生のための「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく取り組みの具体化が必須であります。

 新たな戦略には、「まちの活力」として、まちに新しい人の流れをつくり働く場を確保すること。「うじたわらっ子育み」として、若い世代の希望をかなえ元気なうじたわらっ子を育むこと。「安心・暮らしよいまち」として、地域で見守り安心で暮らしの“幸福度”の高いまちをつくること。これら3つの基本目標を定め、これをもとに14の柱からなる具体的施策を掲げています。

 改定後の総合計画、総合戦略に基づき、住民の皆さまのための行政活動と災害対策活動の「拠点」となる役場新庁舎を中心として、参加・交流の促進、住民サービスの提供と向上に努めてまいります。

 また、令和5年度の新名神高速道路及びインターチェンジの開通・開設に向け、地域間交流や広域的な連携につなげる町内の道路ネットワークの「みちづくり」を引き続き着実に進めていきます。

 「未来づくり」については「移住」だけでなく「定住」も。これから宇治田原町に住む方々、そして今現在宇治田原町にお住まいの方々の“幸福度”をさらに高める取り組みを進めていきたいと考えております。

 一方、国政に目を向けますと、年末の12月20日に閣議決定をされた国の第2期「まち・ひと・しごと・創生総合戦略」では、令和2年度からを「地方創生の次のステージ」と銘打たれ、「将来にわたって活力のある地域社会の実現」と「東京圏への一極集中の是正」とを、ともにめざすこととされています。

 私は、地方創生への対応は国において必要な政策を推進することが基本であると捉えておりますものの、個々の自治体にとりましても大変重要な課題であり、国が掲げる多くの目標を実現するためには、地域の創生の推進がその原動力として欠かせないものであることには間違いがないと考えております。

 現在、国においては第201回通常国会が開会されています。政府が掲げる地方創生、成長戦略、一億総活躍社会などの大きな目標に向け、予算や政策の審議が継続されておりますことから、その動向を注視し、本町への影響を検証するとともに、国及び府における広域的施策への連携・対応をしっかりと図ってまいりたいと考えます。

 本町においては近年、新庁舎建設事業をはじめとする、新しい未来を拓くためのまちづくりに積極的に投資を進めてまいりました。平成30年度一般会計決算におきましては、実質収支は黒字となりましたが、基金の取り崩し等により実質単年度収支は赤字となったところであり、令和元年度決算においても引き続き厳しい財政状況となることが予想されます。

 こうした状況のもと、未来に希望と責任をもち、将来にわたって持続可能な行財政基盤を構築するためには、必要な施策を的確に実施する一方で、現下の厳しい財政状況を職員一人ひとりが改めて認識する必要があります。引き続き、第6次行政改革大綱及び同実施計画に基づく行財政改革に努める中、効率的・効果的な行財政運営を維持できるよう、最大限の努力をしてまいります。

 令和2年度の予算編成にあたっては、改定後のまちづくり総合計画の初年度として、また役場新庁舎の供用開始という新たな時代に踏み出す施策を着実に推進するとともに、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく地域創生対策を具体化させるため、昨年度に引き続き、できる限りの財源確保に努める中で、国政・府政、そして社会経済情勢にも機敏に対応する積極型の予算を編成したところでございます。

 それでは、令和2年度の主要な施策について、本議会にご提案申し上げております「第5次まちづくり総合計画」の4つの「まちづくりの目標」に沿って申し上げます。

 まず、「健やかに安心して暮らせるまち」であります。

 「健やか」そして「安心」は、すべての世代、全住民の“幸福度”の前提になるキーワードではないでしょうか。

 まず、「安心」についてであります。東日本大震災に代表される巨大地震のみならず、近年は全国的に局地的豪雨による水害や土砂災害によって甚大な被害がもたらされています。昨年10月に関東甲信越や東北の広範囲を襲った台風第19号では、長野県千曲川のほか、東北や関東において複数の河川の氾濫や決壊により甚大な被害が発生し、多くの避難者を出したことは、ご記憶に新しいところと存じます。

 このような災害に対応するためには、何よりも社会資本の強靭化、そして地域の防災力の強化が重要になるところであります。

 先に申し上げましたとおり、いよいよ供用いたします役場新庁舎は、災害対策活動の新たな拠点であります。隣接地に整備いたします住民の日常的な公園機能、そして災害時の緊急避難場所としての防災機能を有する都市公園と一体的に、新たな時代の防災体制を構築してまいります。

 引き続き本町の安心・安全の重要な担い手であります消防団の活動に対する資機材の整備を行うほか、災害時における「自助・共助」、そしてご近所同士の助け合いである「近助」を実践していただいている自主防災組織の活動費、防災物品に対する支援を行います。

 そして、災害時において何よりも重要になるものが「情報」であることは、この間のさまざまな事例が明らかにしております。平成27年度に策定した「情報伝達システム整備基本構想」に基づき、引き続き屋外長距離スピーカーを整備することにより、Jアラートをはじめとする緊急情報の、迅速かつ広範囲への伝達体制を整えてまいります。

 また、土砂災害から住民の命を守るためには、森林の適正な管理が不可欠でありますことから、国が創設された森林環境譲与税をはじめとした財源を活用し、既設林道の改良のほか、森林施業の実施に不可欠な地域活動の確保と新たな森林資源の情報を管理するシステム構築に向けた取り組みを進め、森林環境の保全と災害の未然防止を図ってまいります。

 いくつになっても「健やか」でいきいきと暮らしたい。これはすべての住民の皆さまの願いであると存じます。

 そのためには、住民お一人お一人が自らの健康を自らのものと捉え、自発的な健康増進に取り組んでいただくこと。これが何よりも重要となります。2か年をかけ改定を進めております「健康増進計画・食育推進計画」を、人それぞれのライフステージに応じた実効的なものとし、住民が主役となった健康寿命の延伸をめざします。また、食育の推進に多大なご協力をいただいております食生活改善推進員の活動と連携した「食」に関する事業のほか、生活習慣の改善と運動の視点に立った実践型のウォーキング事業を開催し、健康づくりに関心を持ち積極的に生活に取り入れる住民を増やしてまいります。

 こうした疾病予防の取り組みを重視するとともに、疾病の早期発見・早期治療に向けた検診機会の充実と理解醸成に努めることで、総合的に健康寿命の向上を図る「ウェルネス・タウン」をめざしてまいります。

 本町の高齢化率は、2月1日現在でいよいよ30%に迫るところまで進んでまいりました。高齢化は避けることのできない現実であり、それを前提として、いかに高齢者の皆さまが住み慣れた地域でいきいきと暮らすことができるようにするかが、行政に課せられた命題であります。

 令和2年度は、高齢者保健福祉サービスの推進と介護保険制度の円滑な運営の指針となる「高齢者介護・福祉計画」の改定を行い、高齢者一人ひとりの状況に応じたきめ細かな介護予防、介護サービスに取り組んでまいります。また、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に向け、地域住民やボランティアの皆さまとの連携に努め、高齢者やそのご家族に対する相談支援と見守り体制を整えてまいります。

 障がい者が住み慣れた地域で自立した生活と自己実現を図る。おりしも本年は、「東京2020オリンピック・パラリンピック」が開催される記念すべき年でありますが、その基本コンセプトにあります「多様性と調和」にも通じる非常に重要な視点であります。

 令和2年度には障がい者の方々への福祉サービスの事業量を定める「障がい福祉計画」の改定に取り組みますとともに、前期計画に基づく居宅介護や通所、相談や移動への支援などの障がい福祉サービスを適切に実施いたします。また新たに障がい福祉サービス事業所、障がい当事者の方々とともに障害者総合支援法に定める「自立支援協議会」を立ち上げ、相談や就労支援、地域生活への移行をより促進してまいります。

 そして、障がいのある人もない人も、すべての住民が社会活動に参加しやすい合理的配慮に努めるほか、その思いや考えを伝え理解し合えるコミュニケーション機会の拡大に向けた取り組みを着実に進めます。

 地域福祉においては、地域の福祉の実践者であります民生児童委員協議会、社会福祉協議会ほかボランティアの皆さまの、地域に根差した活動を支援し、本町の“いいところ”である地域ぐるみでの支え合いを、より拡大してまいります。

 次に、「便利で快適に過ごせるまち」であります。

 冒頭に申し上げましたとおり、この間の「三本柱」の成果を踏まえ、新たな総合計画の土地利用構想では、新名神高速道路の開通を見通し、地域内交流・流通の機能と災害時における地域内外の連携強化の機能を併せ持つ都市計画道路宇治田原山手線の整備促進に積極的に取り組むこと、また「新都市創造ゾーン」として、複合機能を有した付加価値の高い土地利用を一体的に進めることとしています。

 「都市計画道路宇治田原山手線の早期完成を求める住民会議」の皆さまによる「オールうじたわら」の応援もいただきながら、京都府と一体となって宇治田原山手線整備を進め、皆さまの願いであります全線開通につなげてまいる決意を新たにするところであります。

 総合計画の改定と一体的に策定する新たな戦略に基づき、引き続き京都府をはじめ関係機関との強固な連携・協調のもと、新たな企業誘致などの今後のまちづくり整備に、積極的に取り組んでまいります。

 また、新都市創造ゾーンと既存集落とを結ぶ道路整備をはじめ、引き続き住民の利便性と安全性の確保のため、町道の計画的な整備と住民生活に密着した生活道路の整備改良、修繕補修を行ってまいります。

 公共交通の利便性向上は、総合計画改定のために実施した各種の住民意識調査にあって最もニーズが高い内容でございました。

 民間事業者が運行する路線バス。路線バスが廃止された区間を地域住民により運行するコミュニティバス。そしてフリーライド運行であり平成29年から住民誰もが乗ることのできる形態にした町営バス。新庁舎への交通アクセス確保の観点も含め、まずこれら交通手段の有効的な連携が重要となってまいります。

 公共交通を本町の大変重要な施策課題と認識し、地域公共交通会議での検討を踏まえながら、より便利で使いやすい生活交通ネットワークの構築を図ってまいります。

 私たちの先人が育み残してくれた、本町の美しい緑に囲まれた豊かな自然環境は、みんなで守り、次代に引き継いでいかなければなりません。

 「環境保全計画」に掲げる理念のもと、その推進主体である「エコパートナーシップうじたわら」の活動を支援するとともに、環境教育や自然環境保全のための人材育成に取り組み、持続可能な社会づくりを進めていきます。また、廃棄物等の発生を極力抑え、資源として循環させる社会の構築のため、各地域でのごみの減量化・再資源化への取り組みへの支援を行うほか、ごみの適正な排出と処理を推進するための条例改正に向け進めてまいります。

 本町にお越しいただいた皆さまには「水が美味しい」と、口をそろえて言っていただいております。「日本緑茶発祥の地」である本町では、町内茶業関係者の方からも「地元のお茶は、地元の水が一番合う」というお声を頂戴しております。地下水を水源とする本町の美味しい水道水は、他市町村にはない大きな強みであることから、新しくこれをボトル化し、町内外にPRする事業に取り組みます。また将来にわたり安心・安全な水道水を確保するため、上水道インフラの更新改良を行いますとともに、水環境の保全と快適な生活環境の創出、健全な水循環の構築のため、引き続き計画的な下水道整備を進めてまいります。

 次に、「活気にあふれる交流のまち」であります。

 この間、まちづくりのバトンを未来につなぐ取り組みとして、町内外の交流拡大、そしてその交流を入口とした人口減少対策と移住定住対策の推進に、心血を注いでまいったところであります。

 観光交流や雇用・起業創出、地域ブランドの発信やシティプロモーションを通じて本町のことを知ってもらい訪れてもらって、子育て世代などに移住定住していただく。そして移住者が地域に定住することでまちが活性化する。この好循環に向けた取り組みを引き続き推進いたします。これにより、地域への誇りであるシビックプライドを育てるとともに、暮らしの“幸福度”を高める。そして「好きやねんうじたわら」と言っていただけるまちにつなげる。この点について、変わることなく進めてまいる所存であります。

 この間に進めてきました本町の移住定住プロモーションは、町内外への発信はもとより、地に足をしっかりつけた住民のシビックプライドの醸成を図るという、2つの軸を踏まえた展開を図ってまいりました。

 引き続きこの「2軸」の視点で、まちの将来像に掲げる「ハートのまち」、そして移住定住のための「うじたわらいく」ブランドを活かし、これまで以上に効果的なプロモーションを進めます。

 町の特産物や地域ブランドを全国に発信し、単に寄附をいただくのみでなく、宇治田原ファンを増やすことを大きな目的として進めてまいりましたふるさと納税につきましては、町内事業者の皆さまのご理解ご協力のもと、年を追うごとに順調に多くのご寄附をいただいてきたところであります。今後も地域の強みを掘り起こし、地域創生の鍵となる地域ブランド力を高めていくことを念頭に、積極果敢に取り組んでまいります。

 シビックプライドの醸成とまちの魅力の発信に欠かせないもの、それは実際に移住されている、また定住されている住民の皆さまからの発信であります。移住者の“今”を発信する取り組みへの支援のほか、新たに宇治田原町だけの原動機付自転車のオリジナルナンバープレートを作製・交付し、多くの住民の皆さまにより郷土への誇りや愛着を町内外に拡げていただくプロモーションを進めてまいります。

 そして、「移住」だけでなく「定住」へ。新たな総合戦略に基づく取り組みをパッケージで進めることにより、これから住む人、現に住んでいる人の“幸福度”を高める取り組みを進めてまいります。

 この一環として、これまで前期戦略の期間内における時限制度として、住宅を取得し本町へ移住される方を対象としてまいりました移住定住奨励金について、定住促進の観点から新たに町内での「近居」への支援の視点を追加いたしますとともに、平成30年に締結した住宅金融支援機構との協定に基づく住宅取得者のローン金利優遇が適用される範囲内で、子育て世帯の要件を拡大いたします。

 町内での定住のためには、働くことと住むことを一体的に考えることが重要です。町内企業との住民のマッチング事業のほか、町内在住者を正規職員として雇用する企業への支援、工業団地等に立地・操業する企業に対する支援を引き続き実施してまいります。また、公営住宅長寿命化計画を改定し、町が主体の住まい環境づくりを進めます。

 そして、近隣市町にも先駆けた取り組みを行ってきました空家への対策を引き続き推進してまいります。空家等対策計画に基づき、空家バンクや「うじたわらいく」お試し住宅、空家を活用する移住定住者・企業への支援制度など「空家の活用」の取り組みから、所有者による管理不全空家等の除却への支援や法律に位置づけられる特定空家等への適切な対応といった「危険空家の対策」まで。町行政だけでなく、空家所有者、そして地域住民にもご理解とご協力をいただく中で、総合的な空家対策を進めてまいります。

 先に述べましたとおり、町内外の交流が活気にあふれるまちづくりの始まりとなります。本町が持つ「おもてなし力」を活かし、観光振興計画に基づく「住んでよし、訪れてよし」の観光まちづくりを推進します。

 「お茶の京都DMO」と一体となった観光の取り組みのほか、引き続き永谷宗円生家と地域住民が運営される宗円交遊庵やんたんを中心とした「日本緑茶発祥の地」の発信と交流を推進します。

 また、町内に点在する名所古刹をはじめ、これまで様々な財源を活用し、末山・くつわ池自然公園から奥山田ハートフル化石広場まで、町内の東西にわたり整備を進めてまいりました観光と地域外からの交流に資する戦略的交流拠点について、継続的な整備と周遊化を図ってまいります。

 農林業を取り巻く環境には依然厳しいものがありますが、農林業者の経営改善と共同化の推進、農林業の生産性の向上への支援を継続してまいります。

 町内産米の活用に向けた「ハートのまちのハート米」や、森林資源の有効活用のための「木の駅プロジェクト」は、宇治田原町発信の新たな農林業振興の可能性を秘めております。これらの実現に向け、引き続き町内関係者の皆さまとともに、調査研究を進めてまいります。

 有害鳥獣対策については狩猟免許取得や防護柵等の被害防止対策への支援のほか、野猿等の被害の調査、モンキードッグの試行実施による追い払いなど、総合的な対策を進めます。

 日本緑茶発祥の地としての歴史や、宇治茶ブランドを支える一大産地としての宇治田原町を町内外に広く発信していくため、高級茶の生産には欠かせない茶園被覆棚に対する支援などにより、地場産業のさらなる振興を図ってまいります。

 次に、「子育てと学びを応援するまち」であります。

 改定する総合計画に掲げる将来人口目標に向けた地域創生、人口減少対策においては、出生率を向上するための取り組みが必須であります。

 新たな総合戦略に掲げる「うじたわらっ子育み戦略」では、その展開方針に「妊娠・出産から子育ての切れ目ない支援環境づくりと子育ての負担軽減の取り組み」、そして「宇治田原町独自の特徴ある教育の充実を図り、子どもたちが楽しく学ぶことのできる環境づくり」を掲げております。

 未来の希望であるすべての子どもたちの最善の利益が尊重され、親が子どもの成長に喜びや生きがいを感じること。子どもはまちの未来であり、地域のみんなで支え、ともに成長できるまちづくりをめざすこと。これは今年度に改定を進めた「子ども・子育て支援事業計画」の基本理念であります。子どもが健やかに育つまちが、全世代にとって暮らしの幸福度の高いまちであることは間違いありません。

 地域全体で子育てを支援する拠点となる地域子育て支援センターと保健センター。これまでから各種子育て講座の開催や子育て家庭の継続的・包括的な支援を行うとともに、さまざまな母子保健事業を推進してきたところですが、これらセンターは令和2年度の役場庁舎移転と合わせて、新庁舎と一体的に新たな複合施設としてスタートいたします。

 これを好機と捉え、出産・子育てイベント、母子保健事業への参加向上に取り組み、センターを核とした子育て家庭への総合的な育児支援につなげてまいります。また、新たに産前産後のサポート・ケアに係る事業に取り組むことで、妊娠期から子育て期にわたるニーズに対して切れ目のない支援を行い、保護者の育児不安解消のほか児童虐待の予防にもつなげてまいります。

 子育ての負担軽減に対しては、引き続き他市町村にない取り組みである、おむつ等の育児用品購入費用への助成のほか、中学校修了までの児童・生徒を対象とする子育て支援医療費について独自に府制度を上回る自己負担額への支援を行います。また妊産婦健康診査として費用助成する内容を拡充するなど、安心な産前産後の環境づくりに寄与してまいります。

 わがまちで生まれ育った皆さまにとっては、町立保育所が子育てにとってとても身近にあるという意識をお持ちの方も多いのではないかと思います。引き続き待機児童ゼロの継続を基本としつつ、地域に根差した保育所「あゆみのその」での保育の充実を図ります。また、自発的にチャレンジする心の育成とスムーズな小学校への就学につなげることを目的に、新たにサーキット運動をはじめとした体育あそびを保育の日常に取り入れるなど、このまちだからこそできる保育を推進し、「うじたわらっ子」を育んでまいります。

 今年度に進めた総合計画の改定においては「教育がまちづくりの根幹である」との強いご意見をいただいたところです。これまでに明らかとなった課題を踏まえ、新たな戦略に掲げる宇治田原町独自の特徴ある教育の充実、子どもたちが楽しく学ぶことのできる環境づくりに向けて、学校と行政、そして地域とご家庭が教育をわが事として取り組むことが何よりも重要であります。

 この“住民総ぐるみによる教育の充実”に向けたプロセスともなる小中一貫教育の推進をまち全体のものとして捉え、取り組んでいくことが重要であります。

 他地域にはない、本町ならではの特色のある教育の実施は、移住定住、そして暮らしの幸福度にもつながる大変に重要な要素であります。

 引き続き英語教育の推進など特色のある学校教育を進め、学力向上のための指導計画・授業の改善については、各種学力診断テストの実施結果を分析し現状の課題の解決に努めるとともに、児童・生徒一人ひとりの習熟度に合わせたきめ細かい学習指導を実施します。

 地域ぐるみでの学びの視点から、町内の教職員の経験を持つ住民や次世代を担う高校生・大学生等が自らカリキュラムを組み、小中学生を対象に教育・学習を進める「うじたわら学び塾」を継続して実施いたします。またシビックプライドの醸成にもつながる「地域学習」の重要性に鑑み、社会科副読本「わたしたちの宇治田原町」を改定し授業に活用することで、まちの将来を担う子どもたちに「日本緑茶発祥の地」のお茶に関する知識、伝統文化や産業などに関する知識を高めていただき、「誇りを持ってふるさとを語れる子」を育んでまいります。

 子どもの安心・健全な教育環境を整えることが、教育充実の前提となります。令和2年度は、学校施設の長寿命化計画策定のための調査に着手いたしますとともに、子どもの通学手段の確保と支援、各種学校行事等への費用負担や経済的な支援が必要な家庭への支援制度を適切に実施するほか、「全国学校給食甲子園」で全国2位の実績を持つ安心・安全な給食の提供と食育を引き続き推進してまいります。

 住民一人ひとりが必要となる学習活動を自ら選んでいただき、生涯を通じて学習できるよう、多様な情報提供に努めるとともに、生涯学習講座グリーンライフカレッジ事業をはじめとする学習機会の提供を進めます。

 地域資源を活用した社会教育の場として、奥山田ふれあい交流館を活用し、多世代の住民の憩いの場となる公園のほか、展示室や体験学習スペースの整備を進めてまいりましたが、施設の運営にあたっては地域内外の交流と地域の活性化にも資することを狙いに、引き続き地域住民の皆さまとの連携を進めてまいります。

 開館から約30年近く、住民の皆さまに生涯学習活動の中核として活用をいただいてきました総合文化センターと図書館については、今後も住民の皆さまに親しまれる施設として運営するために必要な改修を行いますとともに、教育委員会事務局の新庁舎への移転に伴い、新しく子どもたちの居場所ともなる自習室等のスペースを確保し、全世代にわたり快適な空間を提供してまいります。

 また、先にも申し上げましたが、おりしも本年は「東京2020オリンピック・パラリンピック」が開催される年であります。この全世界を挙げたイベントの「聖火リレー」のコースとして、本町が選定されるという栄誉をいただきました。リレーが円滑に実施されるよう、聖火ランナー及び観覧者の安全を確保いたしますとともに、この記念すべきイベントが本町で行われることを大きなチャンスとして、町内外への本町の魅力発信と、住民のスポーツ振興につなげてまいります。

 以上、第5次まちづくり総合計画に掲げるこれら4つの「まちづくりの目標」に加えまして、それら目標の推進に共通する2つの「行政の基本姿勢」に基づき、町が地域課題に責任を持ち、様々な施策を積極的に実施してまいりたいと考えています。

 なお冒頭申し上げましたように、令和2年度はいよいよ、住民サービスの新たな拠点となる役場新庁舎を供用いたします。開庁にあたりましては、住民の皆さまとともに、この新たな拠点の門出を盛り上げてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 また、現在の役場庁舎をはじめとする跡地につきましては、既に明らかにしております公共施設の跡地利用の方向性に基づき、適切に対応を進めてまいります。

 一方、新庁舎はあくまでも「拠点」であり、当然のことながら重要なのはその拠点でいかに住民の皆さまのための行政が運営できるか、そこに尽きると考えております。また、新たな総合計画、総合戦略の推進にあたっては、庁内の関係各課が密接な連携を図るとともに、様々なニーズを的確に把握し、多様化する需要に迅速に対応していくことが必要であります。

 このため本議会定例会にもご提案申し上げておりますとおり、庁舎移転に合わせて、これまでの部制施行により築かれた行政運営手法を基礎として、さらに戦略性を高めた計画的な行政運営を進めるための組織改正を行い、住民の皆さまにとってわかりやすく、利用しやすい役場となるよう努めてまいります。

 また、第2期地域創生総合戦略に掲げる各施策の着実な具体化のため、前期戦略期間に引き続き、「産・官・学・金・労・言」の各界各層の有識者からなる「地域創生総合戦略推進委員会」を設け、進行管理を行いつつ、財源確保に努めながら戦略に掲げる施策の優先度を定め、年次的に取り組みを進めていきます。

 最後に、今年度に進めました総合計画改定のための外部諮問機関である「まちづくり総合計画審議会」からのご答申においては、総合計画の基本的な理念と町の基本姿勢を定めた「町まちづくり総合計画推進条例」、そして改定後の総合計画基本構想にそれぞれ掲げる「住民と町が協力しながら、ともに歩んでいくまちづくり」に関して、住民がまちづくりの主役であることを再認識し、住民の町政への参画とパートナーシップによる、より創造的な地域社会を形成することについての意見が付されたところであります。

 私は常々「百万一心」という言葉を使わせていただきますが、これは、「みんなが力を合わせれば何事も成し得る」という意味であり、このご意見に信念を同じくするものであります。地域の人たち同士の絆、それを支える役場職員間の絆、そして、地域の人たちと役場職員との絆、この3つの絆をしっかり結び合い、新庁舎の供用と新たな総合計画を開始する新たなステージにあって、誰からも「好きやねんうじたわら」と言っていただけるまちづくりをしっかり進める。そして、住民も行政も心を一つに、総合計画に掲げるまちの将来像「人がつながる 未来につながる お茶のふるさと宇治田原」を実現する。私はその先頭に立ち、全力を尽くしてまいります。

 これまで申し述べました諸施策・諸事業を推進するためには、行政だけの力で完遂することはできず、議員各位をはじめ、住民の皆さま方、本町に関わるすべての方々のご協力が不可欠であると考えています。

 どうか今後の本町のまちづくりの推進になお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

 

        令和2年3月2日

                           宇治田原町長  西 谷 信 夫

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