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平成28年度施政方針

[2016年3月4日]

 平成28年3月4日に開会された平成28年第1回(3月)町議会定例会の冒頭において、平成28年度の町政運営に対する町長の基本的な考え方である施政方針を表明しました。

施政方針全文

 本日は、平成28年第1回宇治田原町議会定例会を招集させていただきましたところ、議員各位におかれましては、公私とも大変お忙しい中、ご参集を賜りまして、ここに開会できますことを心から厚く御礼申し上げます。

 開会にあたりまして、平成28年度において宇治田原町政の推進に臨みます所信の一端を述べさせていただき、議員各位、並びに住民の皆さま方のご理解とご協力を賜りたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 私は、平成25年2月に宇治田原町第16代宇治田原町長に就任させていただき、早いもので約3年にわたり町政を担当させていただいてまいりました。

 この間、今日まで大過なく町政を進めてこられましたのも、議員各位をはじめ、住民の皆さま方から賜りました温かいご理解とご協力、そして町職員の努力の積み重ねと、深く感謝申し上げる次第であります。

 私は常々「百万一心」という言葉を使わせていただきますが、これは、「みんなが力を合わせれば何事も成し得る」という意味であり、そのためには、地域の人たち同士の絆、それを支える役場職員間の絆、そして、地域の人たちと役場職員との絆、この3つの絆をしっかり結び合って、町内外の方々から「好きやねん うじたわら」と言っていただけるまちづくりの推進に努めてまいりました。

 また、私が公約に掲げました「未来に希望と責任」、「くらしに安心安全」、「行政に信頼と真心」という3つのまちづくりの基本的な視点に立ち、将来に明るい展望の持てる活力と魅力ある宇治田原町の礎となるまちづくりの推進に心血を注いでまいったところでございます。

 私の任期の最終年となります平成28年度につきましても、このまちづくりの基本的な視点に立ち、残る任期は1年でありますが、我々の子どもたち、そして孫たちへと、30年先、50年先に本町に住んでいただく方の明るい未来に責任を持つため、引き続き山田京都府政との協調を深める中、住民の皆さまとの公約の再点検と実現に向け、町政の運営に粉骨砕身取り組んでまいる所存であります。

 議員の皆さま方の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。

 さて本年は、昭和31年9月30日に田原村と宇治田原村が合併し、宇治田原町が誕生してから60周年を迎えます。この半世紀を超える間における先人の方々のご努力、関係各方面のご支援によりまして、本町は今日のように大きな発展を遂げてまいったところであります。

 この記念すべき年を迎え、本町のまちづくりの礎を築かれた先人に感謝するとともに、まさに「地方の時代」である現代を、住民と行政、地域と地域、人と人とが絆でつながり助け合いながら、これからの未来を描いていくことをテーマに記念事業を展開してまいりたいと考えています。これら記念事業を通じて、宇治田原町の新しい歴史を切り拓いていく決意を皆さまとともに共有してまいりたいと考えております。

 今、国政に目を向けますと、安倍内閣が掲げる経済政策、いわゆる「アベノミクス」の取り組みは、昨年9月に第2ステージとして、これまでの経済政策を一層強化し経済の好循環を確立するため、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」という新たな三本の矢を放ち、出生率の向上や介護離職ゼロなど、「一億総活躍社会」をめざす政策が打ち出されたところであり、平成28年度は、これらの政策が本格的に動き始めることとなります。

 現在、第190回通常国会が開会されていますが、現下の経済情勢等を踏まえ、経済再生と財政健全化の両立を確実なものとするため、また、人口減少・超高齢化という大きな課題にも対応するため、予算や政策の審議が継続されていることから、その動向を注視し、本町への影響を検証するとともに、国及び府における広域的施策への連携・対応をしっかりと図っていくことが重要であると考えております。

 一方、昨年の平成27年は「地方創生元年」と位置づけられ、将来的な人口減少と地域経済縮小の克服を目的として、全国の自治体が新たな「地方版総合戦略」の策定に取り組んだところであります。

 私は、地方創生への対応は、国において必要な政策を推進することが基本であると捉えていますものの、個々の自治体にとりましても大変重要な課題であり、国が掲げる「一億総活躍社会」を実現するためには、地域の創生の推進がその原動力として欠かせないものであることには間違いがないと考えております。

 こうした中、地域創生、自治体間競争の流れにあって、本町ではこれまでのスタンスにとらわれることなく、持続可能なまちづくりを進めるための長期的な指針と位置づける「第5次まちづくり総合計画」と一体的に、人口減少の克服と地域創生のための「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定に取り組んでまいり、それぞれの計画等につきましては、本議会定例会にもご提案申し上げているところであります。

 ここで、これら計画等の策定の中で明らかになった本町の主要課題も踏まえまして、私の任期最終年において、最も重要と考えております事業につきまして、最初に申し述べさせていただきます。

 一点目は、私が本町のまちづくりの1丁目1番地の施策として位置づける、都市計画道路宇治田原山手線の整備であります。

 平成35年度に予定される新名神高速道路の開通は、宇治田原町の将来において、まちの構造に劇的な変化と飛躍をもたらす可能性を秘めていることから、そのインパクトを好機と捉え、今後のまちづくりを進めることが何よりも重要です。

 都市計画道路宇治田原山手線は、新名神高速道路の仮称「宇治田原インターチェンジ」へのアクセス道路、また、国道307号の交通分散を担う道路になるという域内交流・流通の機能及び災害時における地域内外の連携強化の機能を併せ持つ、本町のまちづくりの根幹をなすものであります。

 とりわけ、私が町長に就任して間もない平成25年9月の台風被害により国道307号が全面通行止めとなった際には、町内交通機能が完全に麻痺し、住民生活及び企業活動に多大な支障が出たことは、今も私の脳裏から離れません。

 これまで、「都市計画道路宇治田原山手線の早期完成を求める住民会議」においても知事要望をはじめとする積極的な活動をいただいており、大変心強く感じております。また、平成27年度には京都府において道路予備設計費を予算化いただくなど新たな進捗があり、引き続き京都府とも協議を重ね、協調を強めながら、住民の安心・安全のための必要不可欠な道路として、早期完成に向け全力を傾注していきたいと考えています。

 二点目は、役場庁舎の新築移転事業です。

 新庁舎については、昨年9月に建設に向けた基本理念や基本機能等を定めた「新庁舎建設基本構想」をとりまとめたところです。また、「第5次まちづくり総合計画」の土地利用構想において、町道南北線周辺を「シビック交流拠点」と位置づけ、公共施設等の住民サービス機能と産業・工業機能の集積を図ることとしています。

 新庁舎建設計画は、都市計画道路宇治田原山手線の整備と合わせ、本町の土地利用構想、まちづくりの根幹をなす事業であり、できるだけ早い時期に具体的な内容をお示しできるよう努力してまいります。

 そして三点目として、人口減少対策は、本町においても最重要課題であり、これは「第5次まちづくり総合計画」や「まち・ひと・しごと創生総合戦略」にもしっかりと位置づけております。

 双方の計画に共通する「まちづくり戦略」では、「まちの活力戦略」、すなわち、まちに若者を呼びこみ働く場を確保すること、「うじたわらっ子育み戦略」、すなわち若い世代の希望をかなえ元気なうじたわらっ子を育むこと、「安心・住みよいまち戦略」、すなわち地域で見守り安心で暮らしやすいまちをつくること、これら3つの基本目標を定め、これをもとに19の柱からなる施策を掲げています。

 先ほど申し上げましたとおり、30年先、50年先の宇治田原町に責任を持ち、将来にわたって活力あるまちであり続けるため、これら戦略に掲げる各種施策を積極的に推進してまいる所存であります。

 このような基本的な考え方に立って、この新たな時代における本町の指針として、本議会にご提案申し上げております「第5次まちづくり総合計画」に掲げる将来像であります、「人がつながる 未来につながる お茶のふるさと 宇治田原」の実現をめざして全力を傾注してまいる所存であります。

 次に、本町の財政状況についてでございますが、平成26年度決算におきましては、国の交付金を活用したハード整備事業の完了により、歳入歳出のいずれも減額となったものの、2年連続でまちづくりの基盤整備に積極的に投資を行いました。その結果、実質収支は黒字となりましたが、基金の取り崩し等により実質単年度収支は赤字となったところであり、平成27年度決算においても引き続き厳しい財政状況となることが予想されます。

 このような状況のもと、未来に希望と責任をもち、将来にわたって持続可能な行財政基盤を構築するためには、現下の厳しい財政状況を職員一人ひとりが改めて認識する必要があります。こうしたことから、第5次行政改革大綱及び同実施計画に基づき、引き続き行財政改革に努める中、施策の実施にあたっては、将来的な負担も考慮した上で十分な精査・検討を加えるなど、効率的・効果的な行財政運営を維持できるよう、最大限の努力をしてまいります。

 平成28年度の予算編成にあたっては、新たなまちづくり総合計画の初年度として必要な施策を着実に推進するとともに、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく地域創生対策を加速化させるため、平成27年度3月補正予算と合わせ、切れ目のない施策の展開を図るため「13ヵ月予算」として、昨年度に引き続き、国政や経済の動きにも機敏に対応した積極型の予算を編成したところでございます。

 それでは、平成27年度補正予算と合わせました平成28年度の主要な施策について、新たな時代のスタートに合わせ、「第5次まちづくり総合計画」に掲げる4つの「まちづくりの目標」に沿って申し上げます。

 まず、住民の健康を守るため、保健・医療体制の充実を図るとともに、暮らしの不安要因を減らし、安心して暮らせるまちづくりを推進する「健やかに安心して暮らせるまち」であります。

 「好きやねん うじたわら」と言っていただけるまちづくりは、暮らしの安心と安全の上に成り立ちます。平成23年3月に発生した東日本大震災がもたらした大きな惨禍は記憶に新しいところであり、できるだけ早い被災地の復興を心より願うところでありますが、こうした巨大地震のみならず、近年は全国的に、局地的な大雨による水害や土砂災害によっても甚大な被害がもたらされています。

 このような災害に対応するためには、地域の防災力の強化が何よりも重要になるところであり、引き続き本町の安心・安全の重要な担い手であります消防団の活動に対する装備品・資機材の整備を行うほか、災害時における「自助・共助」の考え方を実践していただいている自主防災組織における活動費、防災物品に対する支援を行います。さらに、自主防災会と消防団が連携・協力のうえ組織する「キッズ防火隊」の発足を支援し、組織化したキッズ防火隊の研修実施、新たな資格取得等の支援により、地域防災を支える人づくりを進めてまいります。

 また、災害時において何よりも重要になるものは「情報」でありますことから、迅速かつ的確な新たな情報伝達システムの確立を図るための段階的な整備に着手いたします。

 さらに、耐震度の確保が必要な木造建築物等の改修への支援として、新たに簡易改修・耐震シェルター設置費用への支援を開始しますとともに、65歳以上の高齢者等に対する積極的な導入を勧奨するため、その自己負担額について町独自に支援を行います。

 一昨年8月に広島市を襲った豪雨による土砂災害がもたらした甚大な被害は、ご記憶に新しいところかと存じます。土砂災害から住民の命を守るためには、森林の適正な管理が不可欠でありますことから、京都府とともに、森林の所有者等が行う災害予防事業に対して支援を行うことにより、森林環境の保全と災害の未然防止を図ってまいります。

 また、本町においても例外でなく高齢化社会が進行する中、いくつになっても健康で長生きをしたいということはすべての住民の皆さまの願いであると存じます。

 このため、住民が主役となって取り組む健康づくりに向け、体系的・具体的な施策展開により健康寿命の延伸をめざすことを目的に今年度改定する「健やかうじたわら21プラン」に基づき、疾病の早期発見・早期治療に向けた検診機会の充実のほか、骨粗しょう症をはじめとする疾病予防のため、住民の健康課題に対応した実践型の講習を実施するなど、住民の皆さまが自発的な健康増進に取り組んでいただき、生涯を通じて健やかな生活を送れるよう支援し、健康寿命の向上を図ってまいります。

 一方で、高齢化の進展に伴い、高齢者世帯が増加し、生活支援へのニーズが一層高まるとともに、認知症対策の取り組みが求められています。保健師による高齢者訪問の充実を図るほか、認知症への早期対応と正しい認識を深めることにより、住み慣れた地域で住み続けていただけるよう、認知症になられても、その居場所づくりや地域の方々との交流、相談ができる「認知症カフェ」を開設してまいります。また、町内において地域密着型特別養護老人ホームを整備する事業者に対して支援を行うほか、介護保険地域総合事業への準備として、これまでご好評をいただいております「元気はつらつ若返り塾」の拡充や二次予防事業の通年開催など、一人ひとりの状況に応じたきめ細かな介護予防事業の展開に取り組んでまいります。

 また、障がい者の方々が住み慣れた地域社会で自立した生活と自己実現を図ることは大きな願いであります。このため、居宅介護や通所などの障がい福祉サービスのほか、コミュニケーション支援や移動支援などの実施により障がい者の自立を支援していくとともに、これまでの町外の相談支援事業所に加え、新しく障がい者にとって身近な相談・情報提供の場として町内の社会福祉法人に専門的な相談支援事業を委託することにより、障がい者の地域での安心と、生活の向上を推進してまいります。

 なお、本町の地域福祉を総合的に推進するための基本理念や基本目標を定める「地域福祉計画」につきまして、引き続き改定に取り組んでまいります。

 次に、きれいな水や豊かな緑に恵まれた自然環境を守り育てるとともに、広域交通と連携のとれた町内交通の利便性の向上や、道路、生活環境などの基盤が整備された便利で快適なまちづくりを推進する、「便利で快適に過ごせるまち」であります。

 冒頭に申し上げましたとおり、新しい総合計画に自治体としての生き残りをかけた対応が要請される中、第5次まちづくり総合計画に掲げる土地利用構想では、新名神高速道路の開通を見通し、域内交流・流通の機能及び、災害時における地域内外の連携強化の機能を併せ持つ都市計画道路宇治田原山手線の整備促進に積極的に取り組むとともに、「新都市創造ゾーン」として、その整備効果を活かした土地利用を一体的に進めることとしています。このゾーニングに基づき、本町の土地利用及び都市計画の基本的な方針となる「都市計画マスタープラン」の改定に着手いたしますとともに、これを契機に京都府とより一層協調を強め、宇治田原山手線の事業着手を見据えた都市計画制度の検討を進めます。

 また合わせまして、森林管理の適正化のほか、山手線を含む公共事業の開始に向けた環境整備の観点からも、土地の境界、面積の測量を行う地籍調査を新たに進めてまいります。

 こうした取り組みを進める中、住民主体となる「都市計画道路宇治田原山手線の早期完成を求める住民会議」の皆さまとともに、官民一体となった「オールうじたわら」で整備促進を図ってまいりたいと考えております。

 また、住民の利便性・安全性・快適性の確保のため、町道の計画的な整備を図るとともに、住民生活に密着した生活道路の整備改良を行ってまいります。

 私たちの先人が自然と共生することを大切にし、育み、残してくれた、本町の美しい緑に囲まれた豊かな自然環境は、みんなで守り、次代に引き継いでいかなければなりません。

 このため、環境保全に取り組む上での共通の環境像や理念を示す「環境保全計画」のもと、その推進主体である「エコパートナーシップうじたわら」の活動を支援し、持続可能な社会づくりを進めていきます。

 廃棄物等の発生を極力抑え、資源として循環させる社会の構築のため、各地域でのごみの減量化・再資源化への取り組みを支援するほか、住民の皆さまに対してごみの出し方をわかりやすく記載したハンドブックを作成・配布し、適切な分別方法の普及促進を図ってまいります。また、ごみの収集・処理体制の充実として、清掃等作業用車両を環境負荷の少ない車両に転換し、町が率先して環境にやさしい事業活動を実践してまいります。

 一方、本町の公共交通としては、民間事業者が運行する路線バスのほか、路線バスが廃止された区間を地域住民により運行するコミュニティバス、そして高齢者・障がい者等のいわゆる交通弱者のために町が運行する福祉バスなどがあります。しかし、この間に行った住民意識調査や、住民の皆さまの声を直接お聴きした「まちづくり座談会」などの場では、公共交通の利便性向上に対する声が多く挙がっています。

 こうした現状を踏まえ、バス事業者が行う利用者サービス向上の取り組みへの支援とともに、住民や有識者等で構成する委員会を設置し、本町の実情に応じた公共交通のあり方を検討し、より便利で使いやすい生活交通ネットワークの構築を図ってまいります。

 町が主体の住まい環境づくりとして、町外からの転入者と定住促進にもつなげるため、今年度に町内全域における空き家実態調査を行っているところですが、平成28年度においては町内における空き家等の適正な管理や利活用、定住化促進のための対策を検討するため、空き家所有者への意向調査を実施するほか、空き家問題に関する検討会を立ち上げ、総合的な空き家等の対策計画の策定につなげてまいります。

 また、住民の皆さまの日々の生活を支えるライフラインとして、将来にわたり安心・安全な飲料水の確保が不可欠でありますことから、新水源、送配水管等の新設に取り組むとともに、水環境の保全と快適な生活環境の創出、健全な水循環の構築のため、引き続き計画的な下水道整備を進めてまいります。

 次に、人口流出に歯止めをかけるため、地域の歴史・文化、茶を核とした地域資源を活用しながら、産業振興や観光交流、雇用の場の創出につなげ、多様な世代で賑わうまちづくりを推進する、「活気にあふれる交流のまち」であります。

 冒頭に申し上げましたとおり、人口減少対策は本町において非常に重要な課題と捉えており、「第5次まちづくり総合計画」、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」にも位置づける中、本町への交流・移住を促し、定住そして永住につなげるための施策を展開してまいります。

 これまで総合計画、総合戦略策定に向けた外部委員会等で審議をいただく中で、委員の方々からも、「宇治田原町には他市町村にはない『いいところ、強み』を多く持っているのに、そのPRがうまくいっていない」というご意見もいただいたところです。このようなことからも、本町の強みを積極的に発信する「シティプロモーション」の強化を重点課題として取り組むとともに、まちのマスコット「茶ッピー」の活用のほか、ふるさと納税の御礼品の充実等により、総合的な宇治田原町の魅力の発信を図ります。

 また、「第5次まちづくり総合計画」の将来像には、心安らぐぬくもりのあるまちと、茶文化に根ざしたおもてなしの心に基づく地域社会の醸成をめざす姿勢を表すとともに、本町の地形がハートの形状に似ていることも活かし、「やすらぎ・ぬくもり・ハートのまち」というサブコピーを打ち出しています。

 この「ハートのまち」を打ち出していくことで、先ほど述べましたシティプロモーションを牽引する旗印とするため、大学生等の若年層のアイデアを活用しながらそのPR方策を検討し、まち全体が優しさとぬくもりに包まれるまちの認知度の向上に努めてまいりたいと考えております。

 また、活気にあふれる交流のまちのためには、まず本町を訪れる方々を増やすことが必要であるため、本町が持つ「おもてなし力」を活かし、「住んでよし、訪れてよし」の観光によるまちづくりを推進します。観光振興計画を着実に進めるため、町内に活動の拠点を置く団体等による「観光まちづくり会議」を設置し、町内の観光情報等の一元的な収集・発信、おもてなし人材の発掘、育成に取り組んでまいります。

 また、本町を代表するレクリエーション施設である末山・くつわ池自然公園の施設整備を推進し、利用者へのサービス向上と安心・安全で快適な自然とのふれあい空間の充実を図ってまいります。

 京都府においては、宇治茶をテーマに景観維持や産業振興、文化の発信などを進める「お茶の京都」事業を推進されており、本町の一部地域を含む日本遺産認定、京都府景観資産登録がされる中、本町においてもこれを絶好の機会と捉え、関連するソフト・ハード両面にわたる事業を推進してまいります。

 また、町内への定住のためには、居住地の近くに働く場があること、そして町内企業への就業の促進が必要です。このため、町内事業者が町内在住者を正規職員として雇用する場合の支援や中小事業者に対する信用保証料・融資利子に係る補給金支援、工業団地等に立地・操業する企業に対する支援を引き続き実施するとともに、地域資源を活用した新商品・新サービスの開発等への支援については、新たに大都市圏で開催される展示会、商談会での合同出展等に対する支援を開始し、町内事業者の経営安定化と競争力向上と合わせた宇治田原ブランドの内外への発信を促進してまいります。

 農林業を取り巻く環境には依然厳しいものがありますが、農林業者の経営改善及び共同化等を推進し、農林業の生産性の向上及び近代化を促進してまいります。また、有害鳥獣対策については狩猟免許取得等への支援のほか、野猿等による被害調査、追い払い等の実施により、総合的かつ効果的な対策を図ってまいります。

 日本緑茶発祥の地としての歴史や、宇治茶ブランドを支える一大産地としての宇治田原町を町内外に広く発信していくため、高級茶の生産には欠かせない茶園被覆棚に対する支援や既存集団茶園の再造成などにより、地場産業のさらなる振興を図ってまいります。

 次に、子どもを生み育てる環境と教育環境の充実をはじめ、人間性豊かな成長や暮らしの充実を図るとともに、共生の心を育むまちづくりを推進する、「子育てと学びを応援するまち」であります。

 全国的に少子化が進む中、本町における地域創生、人口減少対策の取り組みにおいては、出生率を向上するための施策展開が必須であります。

 このため、冒頭に申し上げた総合計画、総合戦略それぞれに共通し掲げる「うじたわらっ子育み戦略」では、出産や子育てに関する不安を解消するための切れ目のない支援や負担軽減への取り組みと、特徴のある教育プログラムの実施により子どもの可能性を伸ばす環境づくりを、その展開方針に掲げております。

 子どもはまちの未来であるという「子ども・子育て支援事業計画」の基本理念に基づき、子育てしやすいまちをめざし、少子化対策事業を企画立案するため、庁内の少子化対策プロジェクトチームと関係機関・団体とが連携した少子化対策事業を推進いたします。

 まず、出会いの機会を積極的に提供する婚活支援事業の継続のほか、結婚・子育てを楽しく幸せなものと感じる前向きな意識づくりを行うための交流の場や啓発を行ってまいります。

 合わせて、町が主催する出産・子育てイベントへの参加率向上の取り組み等により、地域子育て支援センターを核とした、子育て家庭への総合的な育児支援につなげてまいります。また、三世代同居率が府内でも高いという本町の特性に合わせ、新たに「いきいき孫育て事業」として、講座・講習会、交流事業を開催し、地域のおじいちゃんおばあちゃんに、子育ての強力なサポーターとなっていただくよう取り組んでまいります。

 次に、子育ての負担軽減に関する支援の充実といたしまして、新たにおむつ等の育児用品の購入費用への支援を開始しますとともに、中学校修了までの児童を対象とする子育て支援医療費について、引き続き町独自に府制度を上回る自己負担額への支援を行います。

 また、保護者の仕事と子育てとの両立のため、待機児童ゼロの継続を基本として引き続き町立保育所での保育を充実し、合わせて町独自に保育料の軽減を行いますとともに、新たに近隣市町と連携しつつ、病児・病後児保育を開始します。

 さらに、保育所・小学校を通じた「うじたわらっ子」の育成のため、保育所において就学後の授業にスムーズに移行していただくための教室を新たに開設するほか、小学校就学後の学童保育を行う放課後児童健全育成施設につきましては、保護者送迎の負担を軽減するため早朝開設時間を拡充するなど、本町だからこそできる保育を推進してまいります。

 総合計画、総合戦略策定の中でいただいたご意見や明らかとなった課題を踏まえ、「まちづくり戦略」に掲げる特徴のある教育プログラムの推進に向け、より一層「質」の高い教育の充実に努めることが必要です。

 このため、本町ならではの特色のある教育の一つとして、新たに町内在住の教職員退職者や有識者、学生等の指導による本町独自の「うじたわら学び塾」を設置し、地域ぐるみでの学びに取り組みますとともに、引き続き英語教育の推進など特色のある学校教育を進めます。

 また、学力向上のための指導計画・授業の改善については、各種学力診断テストの実施結果から現状の課題を見い出し、児童・生徒一人ひとりの習熟度に合わせたきめ細かい学習指導を実施します。さらに、義務教育9年間での「育てたい子ども像」の実現をめざして、引き続き小学校と中学校の教育連携を推進し、「学園構想」やその学校運営・組織体制と合わせた協議・検討を進め、実質的に成果の出る「小中一貫教育の充実」となるよう取り組んでまいります。

 また、本町に生まれ育つ子どもたちがまちへの愛着と郷土愛を育み、誇りを持ち続けていただくため、本町の特産物であるお茶をはじめとする町の伝統文化や産業等に関する学習を系統的に実施してまいります。

 引き続き子どもの通学手段の確保と支援、各種学校行事等への費用負担や経済的な支援が必要な家庭への支援制度を適切に実施するほか、安心・安全な給食の提供と食育の推進により、子どもの健全な教育環境を整えます。なお、町制施行60周年に合わせ、本年は、住民の皆さまとともに考えた学校給食を児童とそのご家族に提供する取り組みを行います。

 生涯学習については、体系を再構築する中、連携・ネットワークを強化し、住民一人ひとりが必要となる学習活動を自ら選んでいただき、生涯を通じて学習できるよう、多様な情報提供に努めるとともに、生涯学習講座グリーンライフカレッジ事業をはじめとする学習機会の提供を進めます。

 また、本町の生涯学習活動の中核となる総合文化センターと図書館は、平成28年度に開館20周年を迎えることから、記念事業を開催し、今後も住民の皆さまに親しまれる施設として位置づけてまいります。

 また、図書館においては、新たに保健センターと連携し、乳幼児期から本に親しむ取り組みを開始し、親子のふれあいと子どもの健やかな成長、そして生涯を通じた読書活動につなげてまいります。

 以上、第5次まちづくり総合計画に掲げるこれら4つの「まちづくりの目標」に加えまして、まちづくりの目標を推進するにあたって共通する2つの「行政の基本姿勢」に基づき、町が地域課題に責任を持ち、様々な施策を積極的に実施してまいりたいと考えています。

 また、総合計画、総合戦略の進行管理にあたっては、庁内の関係各課が密接な連携を図りつつ、進捗状況や成果の評価を行うことが必要と考えており、4つのまちづくりの目標に掲げる各施策につきましては、進捗状況や成果を明らかにする的確な事務事業の評価を実施し、計画と予算の有機的な関連づけを行ってまいります。

 なお、「まちづくり戦略」については、外部有識者や地域住民による計画の評価・点検を行う体制を整え、施策の着実な実施に努めてまいりたいと考えます。

 最後に、本議会にご提案させていただいておりますとおり、新たな総合計画策定という時代背景に応じた、本町における総合計画の位置づけを明らかにし、その策定と推進について定める「町まちづくり総合計画推進条例」を新たに制定することとしております。

 この条例の中では、新たな総合計画の基本構想・基本計画に位置づける「住民と町が協力しながら、ともに歩んでいく」、また「町が地域課題に対して責任を持ち、主体的に公的な活動を行うことを前提としつつ、地域での自主的なつながりと活動を尊重し、また協力して対応していくパートナーシップの構築」という考え方をその条文に謳っております。

 今後は、本条例に基づき総合計画を推進する中で、住民も行政も心を一つに、誰からも「好きやねん うじたわら」と言われるまちづくりを進め、また、「未来に希望と責任をもてる、茶文化のまちうじたわら」を、住民の皆さまとの絆で創りあげてまいりたいと考えております。

 これまで申し述べました諸施策・諸事業を推進するためには、行政だけの力で完遂することはできず、議員各位をはじめ、住民の皆さま方、本町に関わるすべての方々のご協力が不可欠であると考えています。

 私はその先頭に立って誠心誠意努力してまいる所存でありますので、どうか今後の本町のまちづくりの推進になお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

 平成28年3月4日
 宇治田原町長 西谷信夫

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